青く透き通った海に浮かぶ、白い砂の小島を独り占め…。誰でも一度は写真や映像などを見て、頭の中でイメージを膨らませたことがあるかもしれない。それは「行った時の雰囲気を事前に想像しやすい」と言い換えることができるかも。だけど、数あるイベントの中で、これほど実際の体験が想像を遥かに超えるものが他にあるだろうか。
出発地はケアンズ中心地に近いヨットハーバー。市内のホテルから10分とかからない場所からイベントがスタートする。水上飛行機に乗り込む過程も面白いが、それは「タネ明かし」になってしまうので、ここではあえて割愛。6、7人も乗れば満員になる小さな水上飛行機は、宮崎アニメ「紅の豚」に出てくるそのもの。ケアンズの海は穏やかで、離着陸はとてもスムーズなため不安はまったく覚えなかった。あっという間に海面を飛び立つと、背後のホテルやビルはどんどん小さくなっていき、眼下には水彩絵の具を落としたような青い海が広がる。ここまでならヘリコプターやセスナの遊覧飛行でも同じ体験ができるが、ここでは事故で不時着しない限り経験することのない、海への着水を味わえる。
降り立ったCAY(砂で出来た小さな島の意味)には、羽を休めるカモメを除けば、他に何もない。この「何もない」という感覚は、やはりその場に身を置かないと表現することは難しい。そこにあるのは見渡す限りの水平線とまぶしい太陽だけで、自分達の残した足跡すら、数時間後には消え去ってしまう砂の上にいると、時間の経つことも忘れてしまう。ただ、「この風景は一生忘れないだろうな」という想いだけが、頭の中を何度もかすめた。
このイベントは他に比べて値段が高いと思うかもしれないが、それに見合った貴重な経験を十分に得られるはず。スタッフはとてもフレンドリーで、これも思い出を二重三重に大事なものにしてくれた。ちなみに、水上飛行機に乗るまでは日本人スタッフが案内してくれる。そこから先は気さくなオージーのパイロットに身を預けるが、英語の心配は不要。なぜなら、仮に英語が話せたとしても、美しい景色に言葉を失うだろうから。